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秦 理絵子 著書 訳書

 

子どもの本 オルファースの絵本

ジビュレ・フォン・オルファース( Sibylle von Olfers )は、1881年ドイツ・プロイセンの貴族の家に生まれました。絵本の終わりに一枚の肖像写真が載っています。髪を結いあげ、スモック風の刺繍をほどこした服を着て座り、長い睫の瞳は伏し目がちに両手に持った本に向けられています。美しい姿からは想像しにくいのですが、お転婆でもあったそうですから、きっと貴婦人になる前には、野原や森で遊び、そこで見たことを絵に描いていたのでしょう。オルファースは20代の半ばで「森のおひめさま」にはならず、修道女となりました。修道院の中でも絵の勉強を続け、6冊の絵本を世に送りました。

35歳で肺病のため世を去ったオルファースの残した絵本は、多くありません。けれでも、自然と子どもの姿を、繊細な絵とリズミカルな詩のような文とで描いた絵本は、わざとらしさや大袈裟なところのない上質のご飯やパンのような心の糧として、静かに読み継がれてきました。

大人の本